無料点検の際に見つけた浮いた棟板金

ベランダ屋根の破損のために赴いた現場で、無料点検の際に大屋根の棟板金が浮いて歪んでいるのを発見しました。

棟板金とは、屋根の頂上にある屋根と屋根の面が合わさる部分（棟）に被せている板金の事です。
棟には隙間が開いているため、そこから雨水が侵入しないように棟板金で蓋をしているのです。

棟板金は屋根の一番高い位置に設置されているので、風雨の影響をとても受けやすいのです。
でも、屋根に上らないと見ることが出来ないため気づかないうちに剥がれていて、強風で飛散してしまったり、棟から雨漏りが起こってしまったりすることも少なくありません。
雨漏りなどの不具合が無くても、定期的に点検することが大きな被害を未然に防ぐためには必要ですね。

棟板金は屋根材に固定した貫板と呼ばれる下地材に釘で固定しますが、この写真のように抜けてくることがあります。

棟板金は金属なので、太陽の熱によって膨張し、夜になって気温が下がると収縮します。
このように毎日膨張と収縮を繰り返していると、徐々に釘が抜けてきてしまうのです。

棟板金は、雨漏りを防ぐためにもとても重要な箇所ですので、特に丁寧にしっかりと施工されていると思います。
ですが、どんなに丁寧に施工しても起こってしまう現象なのです。

釘抜けが起こる期間は7年～10年と言われています。

今回、無料点検を行うことによって、棟板金が飛散する前の小さな不具合を見つけることが出来ました。

お客様にも『依頼した箇所ではなかったのに見つけてもらえて本当に良かったです。』と喜んでくださいました。
そして、棟板金の補修も同時に依頼していただきました。

工事を始めていきます。

棟板金の一部交換工事

古い棟板金の撤去

古い棟板金の浮いて歪んでしまっていた部分を撤去していきます。

最初に撤去する部分の棟板金の釘を抜きます。
次に大棟（軒に対して平行に位置している棟）と隅棟（大棟から斜めに設置されている棟）の間に工具を差し込み剥がしていきます。
棟板金は数枚の板金から形成されているので、１枚だけ剥がしました。

貫板の交換

棟板金を撤去すると貫板が見えました。

貫板は棟板金を固定するために設置されている下地材ですが、よく見ると端の方が一部黒ずんでいるのがわかります。
これは、棟板金が浮いて歪んでいたことでその隙間から雨水が侵入していたという証拠です。
まだ腐食するまでには至っていませんでしたが、これからも棟板金をしっかりと固定してもらわなければならないので、黒ずんだ貫板は交換することにしました。

貫板に雨水が侵入していたと考えられる箇所を確認して、その部分を切断して取り除きました。

貫板を取り除いた部分には、新しい木材を設置してしっかりと固定しました。

新しい棟板金の設置

貫板の補修をした箇所に新しい棟板金を被せました。

隅棟との取り合いは、ピッタリとはまるように現場で加工しています。

新しい棟板金と隅棟との隙間をテープでマーキングしています。

すき間をコーキング剤で埋めて、雨漏り防止対策を施しておきます。
棟板金を固定している釘にもコーキング剤を塗っておきました。

浮いた釘の補修

棟板金を固定してる釘の抜けは数か所で見つかっていましたが、全て補修しておきました。

割れたカラーベストの交換

大屋根の点検中に見つけた割れたカラーベストです。

カラーベストは、セメントを主成分とした薄い板状になった屋根材で、軽くて耐久性に優れているので、住宅の屋根材としては最も普及しています。

ただ、飛来物などの衝撃で割れることはあります。

割れたカラーベストに接着剤を付けて、貼り付けます。

元通りにくっつきました。
割れが酷い時には１枚だけ差し替えることも出来ます。

以上で、今回の工事は完了しました。
完工後の写真をお見せしながら工事の報告をさせていただきました。
言葉だけでなく目で見て確認していただいたことで、非常に安心されたご様子でした。

この度は、当店に工事をご依頼いただき、ありがとうございました！
今後も末永くお付き合いさせていただければ幸いです。