屋根工事で使用する部材の種類や耐用年数について調べてみました
屋根工事をお考えのお客様とお話しさせていただいて、結構頻繁に聞かれるのが耐用年数です。
そこで今回は、屋根工事で使用する部材の種類と耐用年数について調べてみました。
ただし、設置されている地域や場所によっても左右されますので誤差はあります。
あくまでも目安ですが、少しでも参考になればいいなと思います。
屋根材の種類と耐用年数
瓦屋根
瓦屋根には粘土瓦・セメント瓦・モニエル瓦があり、粘土瓦の中には素焼き瓦・いぶし瓦・釉薬瓦があります。
粘土瓦
釉薬瓦
粘土を成形して作られた瓦の中で、表面に釉薬をかけて焼くことで、ガラス質で保護した瓦のこと。
陶器瓦とも呼ばれています。
屋根材の中では最も耐用年数が長く、50年~100年とも言われています。
いぶし瓦
釉薬をかけずに焼いたのち、燻す作業をすることにより、炭素を付着させて銀色になった瓦のこと。
いぶし瓦の銀色はいぶし銀と呼ばれ、多くの人がイメージする和瓦がいぶし瓦に当たると思います。
耐用年数は釉薬瓦より短く、30年~50年くらいと言われています。
素焼き瓦
釉薬を施さずに焼くことで自然の風合いを生かした瓦のこと。
仕上がりが赤色のため、赤瓦とも呼ばれています。
色合がナチュラルなので、洋風建築にもよく合います。
耐用年数は、40年~50年でいぶし瓦とほぼ同等です。
セメント瓦・モニエル瓦
セメント瓦
セメントと砂を混ぜたものを成形して塗装したもの。
セメントで出来た丈夫な建材ですが、原材料がセメントなので水を吸い込んでしまうため、表面に塗装することによって防水しています。
耐用年数は、30年~40年と粘土瓦に次いで長いですが、数年ごとに塗装しないとセメント瓦自体の劣化が早くなります。
粘土瓦よりも安価でかつては多くの住宅で使用されていましたが、近年、もっと安価で耐久性が高い建材に需要を奪われ、現在ではほとんど製造されていません。
モニエル瓦
セメント瓦の一種であるモニエル瓦は、ヨーロッパ発祥で日本では日本モニエル株式会社が製造・販売していた商品名です。
1980年から90年代に広く普及しましたが、2010年に日本モニエル株式会社がなくなり、現在生産されていないので、新築で使用されることがないのはもちろんのこと、既存のモニエル瓦が割れた場合にも調達するのが大変です。
モニエル瓦もセメント瓦同様に定期的な塗装が必要です。
耐用年数もセメント瓦と同等です。
金属屋根
スーパーガルテクト
アイジールーフが製造販売している、近年一番人気の金属屋根。
屋根材と断熱材がひとつになったことで、軽量なのに遮熱性・断熱性に優れていて、夏は涼しく、冬は暖かくを実現しました。
遮音性も高く、大雨でも雨音が気になりません。
表面は高耐久ガルバを使用し、ガルバリウム鋼板に比べると更に寿命が期待できます。
メーカーの変色や錆びの保証が15年、穴あき保証は25年になっています。
横暖ルーフ
ニチハ株式会社が製造販売している遮熱鋼板と断熱材を一体成型した高機能金属製屋根です。
軽量で地震による揺れを軽減、暑い夏や寒い冬も快適に過ごすことが出来ます。
高い遮音性で、豪雨でもささやき声程度まで雨音を軽減します。
耐用年数については、表面塗膜保証15年、赤錆保証20年、穴あき保証25年と高い耐久性を保証しています。
瓦棒葺きトタン
縦方向に伸びた凸部分に垂木と呼ばれる木の棒が入っている、板金と垂木を組み合わせた屋根のこと。
瓦棒は一般にはあまり知られておらず、『トタン屋根』と呼ばれることが多いです。
この呼び名からもわかるように、板金にはトタンが使用されています。
トタン屋根は軽量で安価ですが、錆びやすい・雨音が響きやすい・夏は暑く冬は寒いなどデメリットがたくさんあるため、倉庫や下屋根などに用いられることが多く、主流の屋根に使用されることはほとんどありません。
耐用年数は、10年~20年と短い屋根材です。
立平葺きガルバリウム
瓦棒葺きトタンと見分けがつきにくいですが、瓦棒葺きとは違い板金だけで出来ています。
板金はガルバリウム鋼板製で、軽量で安価、トタンに比べて錆びにくいですが、遮音性や遮熱性・断熱性はトタン同様に低いです。
近年、トタンからガルバリウム鋼板へリフォームされる方も増えています。
メーカーによる20年の穴あき保証が付いていて、耐用年数としては20年以上です。
かわらS
新東株式会社のかわらSは、天然石とガルバリウム鋼板を使用した超軽量屋根材で、カバー工法に最適な屋根材です。
外見は瓦のようですが、天然素材で色あせしにくく、耐久性に優れ、メンテナンスコストを軽減。
遮音性・遮熱性も高く、自然災害にも強い屋根材です。
耐用年数は材料品質保証は30年と安心の長期保証です。
MFシルキー
福泉工業株式会社のMFシルキーは、ガルバリウム鋼板製で、嵌合式で施工されるため豪雨や強風に強く、表面にポリエステル樹脂塗装を焼付塗装することで高耐久性能を実現しました。
遮熱・断熱・防音効果も抜群で快適に生活していただけます。
耐用年数は、穴あき25年・赤錆20年・塗膜15年の長期保証です。
アスファルトシングル
アスファルトにガラス繊維を含浸させ、細かく天然石を貼り付けて作られています。
瓦屋根の1/5と軽量で割れや錆に強いですが、強風に弱い・劣化しやすい・はがれやすいというデメリットがあります。
瓦やスレート、ガルバリウム鋼板製の屋根材に比べて本体価格・施工費が安価です。
耐用年数は20年~30年です。
スレート
カラーベスト
セメントを主原料とした薄い板状の屋根材で、スレートという製品の商品名。
和瓦やガルバリウム鋼板製の屋根に比べて安価で、瓦屋根の1/2の重量と軽量です。
ただ、定期的に表面に塗装工事をするなどのメンテナンスが必要になります。
耐用年数は20年~30年となっていますが、定期メンテナンスを行っているという前提です。
コロニアルクワッド
カラーベストシリーズのコロニアルクワッドという商品です。
カラーベストの中で最も人気が高く、多く使用されています。
耐用年数は30年となっていますが、定期メンテナンスが必要です。
ルーガ雅
ケイミュー株式会社のルーガは、まるで和瓦のような見た目ですが、ハイブリッド瓦と呼ばれ、主成分はスレートと同じです。
ただ、独自の製法でスレートをパワーアップさせて、和瓦の1/2の重量で耐久性に優れ、色あせしにくくなっています。
金額はスレートよりも高価ですが、定期的な塗装は不要です。
発売開始から10年以上経過した実績から、安心して使用できる屋根材です。
耐用年数は20年以上と言われます。
耐用年数は20年以上と言われます。
ポリカーボネート製屋根
平板
カーポート屋根に使用されることの多い平板ですが、一昔前はアクリル製を使用していました。
ただ、アクリル製は紫外線に弱く、劣化しやすい屋根材でした。
ただ、アクリル製は紫外線に弱く、劣化しやすい屋根材でした。
現在は、紫外線に強く、強度が高いポリカーボネート製が主流です。
耐用年数は15年以上です。ちなみにアクリル製は10年~15年です。
波板
カーポートやテラス・バルコニー・ベランダなどで主に使用される波板には
・塩化ビニール波板
・ガラスネット波板
・ポリカーボネート波板
があります。
平板同様に、近年ではポリカーボネート波板を使用することが多いです。
というのも、価格は大差ないのに、劣化が少なく高寿命だからです。
透明度も高く、明るいのに紫外線を透さないので、バルコニーやベランダ屋根に最適です。
防水紙
改質アスファルトルーフィング
アスファルトをフェルト状の原紙に染み込ませ、その両面に鉱物質の粉末を付着させたものがアスファルトルーフィングで、アスファルトに合成ゴムや合成樹脂を混ぜ合わせたものを改質アスファルトルーフィングと言う。
アスファルトルーフィングの改良版で、温度変化に強く、耐久性も高い。
耐用年数はアスファルトルーフィングが10年なのに比べて、20年以上と長寿命です。
粘着性改質アスファルトルーフィング
通常、ルーフィングはタッカーと呼ばれるホッチキスのようなもので固定していきますが、粘着性改質アスファルトルーフィングは裏面が粘着層になっていて、そのまま野地板に貼り付けて使用します。
タッカーを使用しないため穴を開けずにルーフィングを固定出来ます。
カバー工法の際によく使用されます。
野地板
バラ板
幅が約90㎜から120㎜の屋根の下地材の事です。
主に杉板が用いられており、40年ほど昔の戸建て住宅の屋根の野地板はバラ板が主流でした。
バラ板と呼ばれるのは、サイズがバラバラだからです。
バラ板は隙間を設けて施工されるため、湿気による影響が受けにくく乾燥しやすいので、腐食防止に活かされています。
現在、下葺き材の防水機能が進歩したことで新築で野地板にバラ板を使用することはほぼありません。
通気性の高いバラ板の耐用年数は約40年です。
構造用合板
建物の構造用下地として耐風性や耐震性を求められる部分に使用されることを目的として作られた合板のことです。
近年、屋根の下地材は構造用合板による施工が中心になっています。
サイズや等級に種類がありますが、当店で主流として使用しているのは、厚み12㎜でシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド放散量が最も少ないF☆☆☆☆(フォースター)のものです。
耐用年数は約30年です。
雨樋
塩化ビニール製
最も一般的に普及している安価で入手しやすい雨樋です。
しかし、風雨や紫外線に弱く、劣化によってちょっとしたことで割れてしまうなどの破損が生じやすいというデメリットがあります。
耐用年数は20年~25年ですが、定期的に塗装などのメンテナンスをする必要があります。
ガルバリウム鋼板
屋根や外壁などで非常に普及している素材で、錆びにくく軽い金属製の雨樋です。
金属製の雨樋の中ではもっとも普及していますが、塩化ビニール製に比べて高価なので、雨樋全体としての普及率は高くありません。
耐久性は塩化ビニール製雨樋に比べて高く、ガルバリウム鋼板の耐用年数は25年~30年言われています。
パナソニック製のアイアン丸
当社の雨樋工事では、お客様から特別なご要望がない場合『パナソニック製のアイアン丸』を使用しています。
硬質塩化ビニール樹脂の中にスチール心を入れて一体化させることによって、熱や衝撃・紫外線に強く優れた耐久性を持っています。
カラーバリエーションが豊富なので、建物にマッチした雨樋を見つけることが出来ます。
この他に、銅製・アルミ製・ステンレス製がありますが、とても高価なためあまり流通していません。
当社の雨樋工事では、お客様から特別なご要望がない場合『パナソニック製のアイアン丸』を使用しています。
硬質塩化ビニール樹脂の中にスチール心を入れて一体化させることによって、熱や衝撃・紫外線に強く優れた耐久性を持っています。
カラーバリエーションが豊富なので、建物にマッチした雨樋を見つけることが出来ます。
この他に、銅製・アルミ製・ステンレス製がありますが、とても高価なためあまり流通していません。
形状は半円型・角型・特殊型があり、写真は最も普及している半円型です。
しかし、近年、ゲリラ豪雨などによる降雨量の増加により、半円型に比べて流水量がより多く確保できる角型を設置される方が増えてきています。