2026.04.25
前回、奈良市の現場からお届けした「屋根土の解体・撤去作業」の様子。長年、家を支え続けてきた重い和瓦と土をすべて降ろし、屋根はいよいよ「素の状態」になりました。ここからが、雨漏りを根本から解決し、お家を再生させるための本当の勝負所です。瓦の下に隠れていた下地の傷み具合をしっかりと見…
街の屋根やさん奈良店です。今回は、奈良県北葛城郡王寺町にお住まいのお客様より「屋根の点検をしてほしい」とのご依頼をいただき、現地調査に伺いました。
お住まいは築25年ほどが経過した、立派な寄棟(よせむね)造りの一軒家です。寄棟とは、屋根の最上部から4方向に傾斜面が分かれている形状の屋根を指します。
屋根に登って調査したところ、使用されていたのはクボタ(現:ケイミュー)から製造販売されていた「パラマウント」という波型の洋瓦でした。この瓦はかつて非常に普及したセメント瓦の一種で、類似品には「モニエル瓦センチュリオン」などがあります。
しかし、現在このパラマウントは生産が終了しており、いわゆる廃盤品となっています。今回は、廃盤瓦ならではのメンテナンスの難しさや、点検で見えてきた問題点について詳しくお伝えします。
まず目に飛び込んできたのは、瓦の表面の状態です。セメント瓦は、瓦そのものに防水性があるわけではなく、表面の塗装(塗膜)によって雨水を弾いています。
こちらの屋根では、25年の歳月により、表面の塗膜がかろうじて残っているという程度まで摩耗していました。塗膜が剥がれると、瓦が雨水を吸い込みやすくなり、強度の低下や苔の発生を招く原因となります。
棟下の瓦にもズレがみられます。留め付けをキッチリとされてないと思われ、日々の生活振動などでズレを起こしてしまいます。完全にズレて棟瓦と縁切れなど起こすと雨漏りに即繋がりますので注意が必要です。
また、屋根の「谷板金(たにばんきん)」にも劣化が見られました。谷板金とは、屋根の面と面が合わさる溝の部分に設置された金属板のことです。雨水が集まって流れる重要な場所ですが、経年劣化で色あせが進行していました。
特に瓦から落ちた雨水が直接当たる部分は、すでに錆び(サビ)が出ている箇所もあり、放置すると穴が空いて深刻な雨漏りに直結する恐れがあります。
今回の屋根には、一部に「方形(ほうぎょう)」と呼ばれる、ピラミッドのように4つの面が1点で交わる形状の部分がありました。
この4つ又の接合部分には、専用の「役物瓦(やくものかわら)」が取り付けられています。役物瓦とは、屋根の端や角など、特殊な形状の場所に使用する専用の瓦のことです。
しかし、このパラマウントの役物瓦は、もともと「4寸勾配(屋根の傾斜の度合い)」用に設計されていました。そのため、今回のように屋根の傾斜が「5寸勾配」など少し急になると、形がピッタリ合わず、どうしても浮いた状態で取り付けられてしまうという特性があります。
通常であれば、その浮いた隙間をコーキング(防水材)などで埋めて防水処理を施すのですが、こちらのお宅ではその処置がされていませんでした。隙間から強風を伴う雨が吹き込む可能性があるため、注意が必要です。
点検中、特に危惧したのが「ケラバ瓦」の状態です。ケラバとは、屋根の端部分(袖部分)のことを指します。
確認したところ、ケラバ瓦を固定している釘が浮き上がっていました。実は最近、この年代のセメント瓦において、ケラバ瓦が突然落下するという事例が非常に増えています。
釘が浮くだけでなく、長い年月をかけて瓦の下にある木材(下地)が腐食したり、経年劣化で釘を保持する力がなくなったりすることで、瓦が支えを失い滑り落ちてしまうのです。
もしも落下の際に下を人が歩いていたり、車が置いてあったりすれば、取り返しのつかない事故になりかねません。築25年を超えている場合は、一度しっかりとした点検を受けることを強くおすすめします。
さらに、外壁と屋根が接する部分にある「雨押え板金(あまおさえばんきん)」にも不備が見つかりました。
雨押え板金は、壁を伝って落ちてくる雨水が屋根の内部に入らないように守る重要な役割を持っています。本来であれば、この板金は先ほどの「ケラバ瓦」のあたりまでしっかり巻き込んで施工されるべきなのですが、こちらの屋根ではそこまで届いておらず、雨仕舞(あまじまい:雨水を適切に受け流す処理)に問題がある状態でした。
こうした細かな施工の不備が、数年後の雨漏りを引き起こすきっかけになることも少なくありません。
今回点検した「パラマウント」のようなセメント瓦は、すでに廃盤となってからかなりの年月が経過しています。そのため、もし瓦が割れてしまっても、補修用の瓦を手に入れることが非常に困難です。
また、セメント瓦は非常に重量があるため、建物全体に大きな負担がかかっています。これから先、さらに長く安心してお住まいいただくためには、築30年程度を目安に「軽量瓦」や「金属屋根」への葺き替え(ふきかえ)を検討されるのも一つの手です。
葺き替えとは、現在の瓦をすべて撤去し、新しい屋根材に交換するリフォームのことです。屋根を軽くすることで住まいの耐震性を高めることができ、最新の屋根材ならメンテナンスの手間も大幅に減らすことができます。
街の屋根やさん奈良店では、今回のような細かな不備も見逃さず、お客様のご予算や将来の計画に合わせた最適なご提案をさせていただきます。王寺町近辺で屋根に不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。大切なご自宅を長持ちさせるお手伝いをいたします。
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