2026.09.18
天理市にお住まいのお客様から、天窓から雨漏りがしているとのご相談をいただき、私たちで現地調査に伺いました。お話をうかがうと、もともとはドーム型の採光天窓だったそうですが、以前の雨漏りをきっかけにドーム部分を撤去し、板金で塞ぐ処置がされていたとのことでした。それでも再び雨漏りが起き…
お宅に到着後、まずは雨漏りの被害状況を確認するため室内の様子を拝見しました。お部屋の中から天窓を見上げると、天窓そのものよりも「天窓の下部にあたる天井クロス」に茶色い雨染みがはっきりと確認できました。
雨漏りの調査では、室内のどこに水が滲み出ているかを正確に把握することが極めて重要です。なぜなら、水の滲み出る位置によって、屋根のどの部分から雨水が侵入しているかのルートを絞り込むことができるからです。今回は天窓の下側に水が溜まったような跡があったため、天窓の下部分、あるいはその周辺のシール資材に問題がある可能性が高いと推測しながら、屋根の上の点検へと移りました。
安全に留意しながら屋根の上へ上らせていただきました。こちらの屋根材は「ガルバリウム鋼板」を使用した「立平葺き(たてひらぶき)」という施工方法で仕上げられています。
ここで少し用語のご説明をします。ガルバリウム鋼板とは、金属でありながら非常にサビにくく長持ちする屋根材のことです。そして立平葺きとは、屋根の頂上から庇(ひさし)に向かって縦方向に長い金属板を流すように葺く工法を指します。つなぎ目が少なく水はけが良いのが特徴で、今回のお宅のようにしっかりと屋根勾配(屋根の傾斜のこと)がある施工環境では、本来であれば雨漏りが起こりにくい優れた屋根の形です。
施主様からは「以前に一度、屋根の塗装工事を行っている」とお伺いしていました。屋根全体を見渡すと、過去のメンテナンスによってしっかりとお手入れされている印象を受けました。
天窓の周囲を念入りに調べていくと、過去の塗り替え時に出来た塗膜(塗料が固まった膜)のバリ(凹凸)が一部に残っており、その塗膜が割れている箇所が見つかりました。「この割れ目から入った雨水が抜けなくなって雨漏りしているのでは?」と疑われるかもしれません。
しかし、この塗膜割れがあったのは天窓の「上部」にある谷板金(たにばんきん:雨水を効率よく流すための金属製の樋のような部材)の付近でした。もしこの天窓上部から雨水が侵入していた場合、重力の関係で室内でも天窓の「上側」の天井に雨染みが現れるはずです。ですが今回、室内の雨染みは天窓の「下側」に発生していました。このことから、天窓上部の塗膜割れが今回の雨漏りの直接的な原因である可能性は低いと判断できます。
さらに詳しく天窓本体の構造を点検していきます。天窓は主に金属製のアルミ枠と、光を通すガラスによって構成されています。この「ガラス」と「アルミ枠」の接合部分(取り合い部)には、隙間から雨水が入らないよう「シール(コーキング材)」と呼ばれるゴム状の防水材がしっかりと充填されています。
しかし、屋外で毎日直射日光や雨風、紫外線を浴び続けているシール材は、年数の経過とともにどうしても硬化し、弾力性を失ってひび割れてしまいます。築20年という年月を考慮すると、このシール材の寿命が尽きていると考えられます。
じっくり観察すると、天窓ガラスの下部に雨水が溜まったような乾き跡が確認できました。雨が降るたびに、ガラスを伝った水がこの下部に慢性的に溜まりやすくなっており、劣化して隙間ができたシール材の奥へとじわじわと水が浸み込んでいたのです。これが今回の雨漏りの決定的な原因でした。
今回の雨漏りに対する最も効果的な応急・補修対策としては、劣化して防水機能を失った「天窓ガラス周囲のシールの打ち替え(打ち増し)工事」が挙げられます。古いシールを取り除き、新しく耐久性の高い防水シールを施工し直すことで、雨水の浸入口をしっかりと塞ぐことができます。
天窓は室内を明るくしてくれる素晴らしい設備ですが、屋根材よりも耐用年数が短い場合があり、築15年〜20年頃を目安に点検やシール打ち替え、パッキン交換などの定期的なメンテナンスが必要不可欠です。放っておくと、天井の木部を腐らせたり、カビの発生原因にもなってしまいます。
街の屋根やさん奈良店では、今回のように屋根に上がって目視だけでは分からない細かな雨水のルートまで丁寧にお調べいたします。「うちの天窓もそろそろ心配」「雨染みを見つけたけれどどこに頼めばいいか分からない」とお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。経験豊富な屋根のプロが、お住まいの状況に合わせた最適なご提案をさせていただきます。
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