2026.05.12
今回の奈良市での施工における結論は、「経年劣化した3階建てのスレート屋根に対し、ガルバリウム鋼板によるカバー工法を行うことで、コストを抑えつつ新築以上の防水性能を確保した」ということです。築年数が経過した3階建てのお住まいは、日当たりが良い反面、常に過酷な雨風や紫外線にさらされて…

今回の工事のきっかけは、お寺の維持管理を担う施主様からの「将来的な雨漏りを未然に防ぎたい」という切実な願いでした。本堂と庫裏を繋ぐ通路や庇(ひさし)には、伝統的な銅板が使われていましたが、設置からかなりの年月が経過していました。銅板は非常に高価で長持ちする素材ですが、酸性雨などの影響で厚みが薄くなり、最終的には針で突いたような小さな穴が開く「ピンホール現象」が起こることがあります。大切な仏閣内部に被害が出る前に、今のうちに手を打ちたいというご意向を受け、軽量で遮熱性能に優れた屋根材への刷新が決まりました。





今回は、既存の「銅板一文字(どうばんいちもんじ)」を解体せずに、その上から新しい屋根材を被せる「カバー工事」を採用しました。銅板一文字とは、薄い銅の板を交互に重ねて葺く伝統的な手法のことです。
カバー工法の最大のメリットは、古い屋根を剥がす手間と処分費用を大幅にカットできる点です。また、屋根が二重構造になるため、断熱性や遮音性が向上するという副次的な効果もあります。お寺のように広い敷地や複雑な構造を持つ建物では、コストを抑えながら確実に防水性能を復活させるこの工法が非常に有効です。
施工箇所は、本堂と庫裏を繋ぐ接続部分の屋根と、建物の窓や出入り口の上に設けられた庇(ひさし)の2か所です。特に接続屋根部分は、両側から建物の軒先がせり出しており、非常に天井が低く、作業スペースが限られた「超狭小空間」でした。
さらに現場を難しくさせていたのが、屋根の上に設置された3台のエアコン室外機です。これらを完全に取り外してしまうとお客様がエアコンを使えなくなるため、特殊なジャッキ等で室外機を一時的に「浮かせた状態」にし、その隙間に屋根材を差し込んでいくという非常に神経を使う作業を行いました。職人の技術と工夫が試される現場でしたが、一歩ずつ丁寧に進めていきました。
防水下地の準備が整ったところで、いよいよ新しい屋根材「カレッセS遮熱プラス」を葺き上げていきます。これは「横葺ガルバリウム鋼板」と呼ばれるタイプで、錆びに強く、非常に軽量なのが特徴です。
名前に「遮熱プラス」とある通り、太陽の熱を効率よく反射する特殊な塗装が施されています。夏場の屋根裏の温度上昇を抑えることができるため、お寺のように広い空間の冷房効率を高めるのにも一役買います。狭い空間で両サイドが壁に囲まれているため、材料を運び込むのも一苦労でしたが、建物の形状に合わせて一枚一枚正確に加工しながら固定していきました。
続いて、庇部分の施工です。ここも接続屋根と同様にカレッセを丁寧に葺き上げていきます。屋根の終わりと壁がぶつかる部分は、最も雨漏りが起きやすい「弱点」となります。
そこで、壁際に「雨押板金(あまおさえばんきん)」という、L字型の金属板を取り付けました。これは壁を伝って落ちてくる水が、屋根の内部に入り込むのを防ぐためのガードレールのような役割を果たします。さらに、板金と壁のわずかな隙間には高耐候の「シーリング材(防水充填剤)」をたっぷりと充填し、水の侵入路を完全にシャットアウトしました。
最後は接続屋根部分の仕上げです。屋根の頂上部分には「棟板金(むねばんきん)」を取り付け、雨水の浸入を防ぐ仕舞(しまい)を行いました。こちらも庇同様、壁際との接合部には入念な板金処理とシーリング処理を施しています。
狭い場所での室外機の移動、壁際への精密な板金加工など、手間のかかる工程が続きましたが、無事にすべての箇所を美しく、そして強固に仕上げることができました。完成後、施主様からは「これで雨のたびに心配しなくて済む」と安堵の声をいただきました。
街の屋根やさん奈良店では、お寺のような特殊な構造や、他店で断られそうな狭い場所の工事も喜んで承ります。「古い銅板屋根をなんとかしたい」「難しい場所だけど修理できる?」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
街の屋根やさんご紹介
街の屋根やさん奈良店の実績・ブログ
会社情報
屋根工事メニュー・料金について
屋根工事・屋根リフォームに関する知識
Copyright © 2016-2026 街の屋根やさん All Rights Reserved.