2026.07.21
奈良県川西町のお客様より、雨のあとに室内側へ雨染みが出るとのご相談をいただき、私たちが屋根の状態を確認しました。現場に到着して屋根へ上がると、瓦全体は大きく乱れていないものの、棟まわりには経年による傷みが見られました。 雨漏りの原因は、棟瓦内の葺土の劣化によるノシ瓦の勾配不足にな…
点検結果をもとに、さっそく雨漏りを起こしている棟違い部分の補修工事に取りかかります。
まずは、既存の棟を構成しているノシ瓦(段状に積まれた平らな瓦)を1枚ずつ丁寧に解体していきました。内部の様子を確認してみると、かつて瓦を固定するために敷かれていた葺き土(ふきつち)が見えてきました。その土は雨水を大量に含んで湿っており、土が流れてしまったくっきりと明らかな跡が残っていました。これこそが、長年お客様を悩ませていた雨漏りの直接的な原因です。
痛んでしまった棟瓦と内部の古い葺き土をすべてきれいに撤去し、屋根の土台部分を露わにします。
ここで非常に重要なのが、棟際(むねぎわ:棟のすぐ下に来る瓦)の隙間確認です。この隙間が広すぎたり不揃いだったりすると、隙間から風雨が入り込み、再び雨漏りを引き起こすリスクが非常に高くなります。今回は防雨性を万全にするため、隙間を適切な幅に調整できるよう、新しい瓦で切り直してぴったりと納め直す工程を挟むことにしました。
土台の準備が整ったら、新しい棟を支えるための下地づくりへと進みます。
今回は、従来のような土だけに頼る工法ではなく、強力棟金具(きょうりょくむねかなぐ)と呼ばれる金属製の固定器具を金属ビスで屋根の構造体にしっかり取り付けました。さらに、この金具に対して棟の芯となる木桟(もくさん:木製の板材)をしっかりと固定します。これにより、万が一の地震や台風による強い揺れにも耐えられる、非常に強固な棟の下地が完成します。
下地が組み上がったところで、新しい瓦を切り直して綺麗に入れ直し、木桟のまわりに南蛮漆喰(なんばんしっくい)を巻きつけるように塗っていきます。
南蛮漆喰とは、従来の漆喰に炭酸カルシウムや防水剤、シリコンなどを混ぜ合わせた高性能な建材です。通常の漆喰や土に比べて水に強く、崩れにくいため、雨水の侵入を長期にわたって強力に防ぐ役割を果たしてくれます。
最後に、棟違い部分の破風(はふ)際に位置するノシ瓦下の古い漆喰を一度キレイに剥ぎ取り、新しい漆喰で塗り直すメンテナンスを行いました。細かな隙間も見逃さず丁寧に補修することで、屋根全体の防水性能が格段に向上します。
これですべての雨漏り補修工事が完了いたしました。工事後は雨漏りもしっかりと止まり、お客様にも大変安心していただけました。
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