2026.07.12
生駒郡三郷町にあるお寺様より、「本堂の屋根から鬼瓦が落ちてきてしまったので、すぐに状態を確認してほしい」という切実なご相談をいただきました。鬼瓦といえば、魔除けとしての意味合いを持ち、屋根の端を雨水から守る非常に大きくて重量のある重要な瓦です。幸いにも落下した際に周囲に人がおらず…
詳しく調べてみると、壁際にある熨斗瓦(のしがわら=平らな形状の雨よけ用瓦)に、過去に補修したと思われるコーキング(隙間を埋める防水材)がべっとりと塗られていました。しかし、残念ながら雨漏りは止まっていません。なぜなら、このコーキング処理は本当の原因とは違う「見当違いの場所」への補修だったからです。
今回の雨漏りには、プロの目から見て2つの明確な原因がありました。
1点目は「瓦の割り付け(配置のバランス)」です。瓦を並べる際は、雨水がスムーズに流れるように山と谷の位置を計算します。このような壁際は、瓦の曲面を利用して雨水が壁から外側へ逃げるように配置するのが鉄則ですが、逆に入り込んだ雨水が壁側に流れてしまうような納まりになっていました。
2点目は「壁際捨て板金(かべぎわすてばんきん)」がないことです。これは壁際に入り込んだ雨水を軒先まで安全に流すための金属製の板です。今から40年ほど前の建築では、この捨て板金を取り付けない施工も珍しくなかったため仕方のない面もありますが、現代の基準では雨漏りを防ぐために必ず設置する重要な部材です。
一部の瓦を取り外してみると、案の定、瓦の下にある葺土(ふきつち=瓦を固定する土)に水が流れた明確な跡が残っていました。
原因が特定できたため、下屋根の壁際部分の葺き直し工事を開始します。まずは問題が起きている壁際の熨斗瓦や桟瓦(さんがわら=一般的な波形の瓦)、そして古い葺土を完全に撤去していきました。
瓦を外していくと、案の定、中の葺土がじっとりと湿った状態になっていました。これでは長雨が続いたときに土が雨水を吸収しきれず、そのまま雨水が下へと漏れ出してしまいます。土をすべて取り除くと、屋根のベースとなるバラ板(木の下地)が見えてきましたが、かつての施工では下葺材(防水シート)が壁際でしっかりと立ち上げられておらず、雨水が侵入しやすい無防備な状態だったことも分かりました。
古い土や部材をすべて綺麗に取り除いたところで、強固な防水対策を施していきます。まずは新しく高性能な下葺材(防水シート)を敷き詰め、しっかりと壁際まで立ち上げて固定します。
その上で、今回の雨漏り防止の要となる「壁際捨て板金」を取り付けます。使用したのは、サビに強く耐久性に極めて優れたガルバリウム鋼板です。現場の壁の形に合わせて職人が丁寧に加工し、もし瓦の隙間から雨水が侵入しても、この金属板がキャッチしてそのままスムーズに軒先へ排水される仕組みを作りました。もともとの瓦の割り付け(配置位置)自体は変えられないため、この新設した捨て板金の上にしっかりと瓦を並べて戻していきます。
桟瓦を美しく葺き終えたら、最終仕上げである壁際の熨斗瓦を積む作業に移ります。ここでは昔ながらの土は使わず、現代の優れた建築資材である「南蛮漆喰(なんばんしっくい)」を使用します。南蛮漆喰は非常に接着力が高く、防水性と耐久性にも優れているため、雨や風から屋根を長期間守ってくれます。
この南蛮漆喰をたっぷりと盛り、熨斗瓦を一枚一枚丁寧に差し込みながら、元の美しさを再現するように積み上げていきます。見た目の美しさはもちろん、雨水の侵入を完全にシャットアウトする角度と高さを維持しながらの職人技です。こうしてすべての熨斗積みが完了し、雨漏りに強い頑丈な下屋根が見事に完成しました。
雨漏りの原因というのは非常に特定が難しく、建築の深い知識がなければ「とりあえず漏れている近くをコーキングで埋めておこう」というその場しのぎの工事で終わってしまいがちです。しかし、それでは根本的な解決にはならず、何度も雨漏りを繰り返してしまいます。
私たち「街の屋根やさん奈良店」は、創業51年の歴史を持つ瓦屋さんが地域密着で運営しているお店です。半世紀以上にわたり、数えきれないほどの瓦屋根のトラブルや雨漏りの事例を確認し、解決してきた圧倒的な実績とノウハウがあります。
「何度も雨漏りが直らなくて困っている」「どこに頼めばいいか分からない」という方は、ぜひ一度、街の屋根やさん奈良店の無料点検をお申込みください。屋根の専門家が原因を徹底的に突き止め、あなたの大切なお住まいを守る最適なご提案をいたします。
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