2026.08.28
ある日、大和郡山市にお住まいのお客様から「庭に見慣れない屋根の破片が落ちてきて困っている」と不安なお声でお電話をいただきました。普段はなかなか目につかない屋根の上ですが、地上に欠片が落ちてくるのは非常に危険なサインです。重大な雨漏りや第二次被害につながる前に現状を正確に把握するた…
現地に伺い屋根に上って確認したところ、破損やズレが生じている箇所が2か所見見受けられました。
1か所目は、屋根の先端部分にあたる軒先瓦(のきさきがわら:屋根の一番下の端に並ぶ瓦)と、屋根全体に敷き詰められている桟瓦(さんがわら:波のような形をした一般的な波状の瓦)が、10枚ほど大きくズレを起こしている状態でした。
さらに、屋根の側面にあたるケラバ瓦(けらばがわら:屋根の端の斜めになっている部分を覆う角用の瓦)の付近でも、桟瓦の割れとケラバ瓦自体のズレが確認されました。
あわせて屋根の隅の傾斜に沿って積まれている棟の端点、いわゆる隅棟(すみむね)の棟止まり部分を確認すると、瓦同士の隙間を埋める漆喰(しっくい:瓦を固定し雨水の侵入を防ぐ白い塗り材)が割れて剥がれてしまっていました。
今回は納屋の屋根ということもあり、お客様からは「屋根全体の葺き替え(ふきかえ:新しい屋根材へ丸ごと交換する大きな工事)ではなく、一番簡易で費用の負担が少ない補修方法で直したい」というご要望をいただいておりました。
そこで、使える既存の瓦はそのまま活用し、破損している部分だけをピンポイントで修復する部分補修をご提案いたしました。
まずは大きくズレていた軒先と桟瓦の補修に取りかかります。一度、ズレてしまっていた既存の瓦を取り外し、その周りにある瓦のバランスや整列状態を細かく調整していきました。
日本瓦の屋根では、瓦の下に土を敷いて密着度を高める施工が用いられています。今回は瓦の下に置かれている土が痩せて劣化していたため、新たに土を置き直して基盤を整えた上で、瓦を一枚ずつ丁寧に葺き直していきました。
割れが激しく再利用が難しい瓦については、サイズと形状が適合する新しい瓦へ交換し、しっかりとかみ合わせを復元しています。

続いて、屋根の端部分であるケラバ際の修復を進めます。ズレが生じていたケラバ瓦の位置を正しく整え、ガタつきが出ないようにしっかりと固定し直しました。
ケラバの近くで割れてしまっていた桟瓦についても無理に再利用せず、新品の瓦へ差し替えることで、今後の雨漏りや飛散のリスクを最小限に抑えています。
部分的な交換であっても、屋根全体の流れを綺麗に揃えることで耐久性が大きく向上します。

最後に、隅棟の棟止まり部分で剥がれていた漆喰の補修を行いました。
古くなった既存の漆喰を取り除き、新しい漆喰を均一に塗り直すことで、隙間からの雨水の侵入を防ぎ、棟全体の強度を高めました。
これにより、すべての補修作業が無事に完了いたしました。既存の健全な瓦を活かしたことで、施工期間も短く、お客様のご予算とご要望に寄り添った最適な工事となりました。
納屋や物置の屋根は「わざわざ高額な費用をかけて全体を直すほどではないけれど、放っておくのも不安」とお悩みの方が多くいらっしゃいます。
街の屋根やさん奈良店では、お客様のご事情や建物に応じた最適な施工プランをご提案いたします。無理に全体工事をおすすめすることは一切ございません。瓦1枚の差し替えや部分的な漆喰の塗り直しなど、小さな工事でもお気軽にご相談ください。
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